むなしいということ

 

冷凍食品を作る工場を映したテレビ番組で
たくさんのジャガイモが水に流されている場面があった
コンベアーみたいな銀色で作られた道の中
ごろごろ ごつんと ぶつかりながら
洗われながら運ばれていくジャガイモ

そんな場面を浮かべながら
満員電車に乗る私

美味しく食べてくれる人が居るのでもない
調理してくれる人が居るのでもない
会社から家に帰るだけの手段として
すごく早く走る機械の中
無言で生ぬるい体温に押しつぶされている

冷たい水に洗われるジャガイモの方がマシなんじゃ、なんて
考えてしまったらきっと私は
ぺしゃんとつぶれてしまうのではないかしら

かなしいとか
さみしいとか
そんなものすらない
何も詰め込んでいない心は
とても脆い

だから大げさなほど
胸にたくさんの空気を吸い込んで
音にすることのない
負けない負けない、とのつぶやきを頭に敷き詰めながら
押しつぶしてくる人たちを押しのけて
二本足で自らを支えてやるのだ

制作日:2018.9.11
すがら和叶

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