笑っていてね

悲しい時は泣いてね
怒ってる時はむすっとしてね

笑っていると良いことあるって言うけれど
辛い時まで笑わなくていいからね
心と顔がバラバラになって
あなたが崩れていってしまうのはみたくないよ

だからお願いね
私の隣で笑っているのが
心から嬉しい時だって信じさせてね

制作日:2018.3.26
すがら和叶

無数の目

お前のせいだ と声を張り上げてしまえばよかった
自分以外のせいにして
わたしを守ることの罪深さを知らない
無知な自分を飾り立ててしまえばよかった

傷つけられることを恐れてナイフをかざして
悪意に対してこないで と
叫んだところで

その他大勢にとって
異常者が私になってしまうことを知っている

無数の目こそが武器であることを知っている

制作日:2018.3.13
すがら和叶
(365作品upチャレンジ:96/365)

何事も無かったように

コーヒーの入っているコップを倒してしまった
慌ててコップを拾い上げたけれど
絨毯の上には黒い水たまりができてしまった

元から在ったかのように
水面を揺らすコーヒーだまりに
情けなさもゆらりゆらりと顔を出すから

終いには笑いだすしかなかったの

制作日:2018.3.7
すがら和叶
(365作品upチャレンジ:95/365)

敗北宣言

恋をした
その瞬間に負けているのだ

あらゆる常識や良識をかなぐり捨てて
たったひとりの誰かのことの隣に行くことしか
考えれられないなんて
負け以外の何物でもない

自分を造った親のことすらも
長く語らった友のことすらも
忘れて投げ捨てる
それでも手に入るとは限らない恐怖を背負う
恋とはなんと恐ろしい

しかもそれは序の口に過ぎない

恋の一番厄介なところは
それで傷ついたとしても
「恋したから仕方ないのだ」 と
誰もが口を揃えて言うところ

恋をした
その瞬間に負けているのだ

だからあなたに恋したわたしをどうか憐れんで
可哀想ね と頭でも撫でてくれないものか

制作日:2018.3.2
すがら和叶
(365作品upチャレンジ:94/365)

祈り

どれだけ大好きな人にでも
嫌いなところはあるのだと思っていた
反発したくなったりだとか
嫌な気持ちになったりだとか
そんなところがあるのだと思っていた

しょうがないよなぁと溜息を吐きながら
眉間に皺をこしらえて
蛆みたいに体の中を這いずる不快感を
どうにか無かったことにしようとする時間が
誰かと居るには必要だと思っていた

それなのに

あなたには全くなかった
一緒に暮らす日々の中
平穏な時間ばかりが流れた

それがとても有難くて
そのままを口にしていたら
そんなに感謝されるようなことしてないよ と
あなたが困ったような顔で笑うから
わたしもつられて同じ顔をした

ねじ曲がった性格のわたしとの生活
あなたの眉間の皺が深くならないことを祈りながら
口はふふふと歌うように笑いだす

制作日:2018.1.28
すがら和叶
(365作品upチャレンジ:93/365)